注意欠如・多動性障害

ADHD

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは

ADHDは、Attenuation Deficit Hyperactivity Disorderの頭文字をとった略称です。
日本語では「注意欠如・多動性障害」という病名になりますが、一般的に略称の「ADHD」で広く認知されています。

ADHDの症状は以下の2つのパターンに分類することができます。

この2つの型のどちらか一方が目立つ方もいれば、両方が混在する方もいます。

ADHDの特徴

不注意優勢型の方であれば、次の特徴が当てはまるかもしれません。

不注意優勢型の特徴、忘れ物が多い様子のイラスト
  • 仕事でミスが多い
  • 忘れ物が多い
  • 上の空になっていることが多い

多動性-衝動性優勢型の方は以下の特徴が多いと言われています。

多動性-衝動性優勢型の特徴、しゃべりすぎている様子のイラスト
  • しゃべりすぎる
  • じっとしていることができない
  • 順番待ちが苦手

他にも、整理整頓が苦手、書いてある指示を見落とす、口頭での指示が覚えきれないなどの特徴も見られます。

ADHDの原因

ADHDは脳機能の障害です。
脳の一部(前頭前野、側坐核、小脳など)の機能が低下しており、以下の3つの機能に障害があると考えられています。

実行機能
計画を立てたり、行動を抑制したりする機能です。
この機能に障害があることで、順番待ちができない、じっとしていることができない、といった症状が現れます。
報酬系機能
快の追求とその抑制に関わる機能です。
この機能に障害があることで、長期的なメリット(例えば昇進、資格取得)だけでは意欲を継続することができず、途中で挫折したり退職を繰り返す、といった特徴があります。
時間処理機能
段取りやタイミングなどに関係する機能です。
この機能に障害があることで、先の見通しができず仕事を後回しにしてしまったり、優先順位をつけるのが苦手といった特徴が生じます。

ADHDの方への支援

ADHDの方への支援として、各国の治療ガイドラインでは、「薬物療法」「心理教育」や「認知行動療法」などの心理社会的支援が推奨されています。

薬物療法
症状を緩和することで、日常生活での生きづらさが軽減し、環境調整や心理社会的な治療によって困難に対処するための工夫を身につけやすくなります。
ただし、ADHDの治療薬は、ADHDを治癒させるものではありません。
薬物療法はあくまでも症状の緩和を目指すもので、より良い生活のためには、自身の症状理解や困難への対処方法を身につける必要があります。
心理教育
ADHDの一般的な特性や症状を知ることで、日常生活での困りごとをADHDという観点から理解し、うまく生活するための工夫や対処法を学びます。
認知行動療法
注意持続訓練や、自己報酬マネジメント、時間管理、整理整頓、アンガーマネジメントを含む感情コントロール、ソーシャルスキルトレーニングなどを行います。
ADHDは「生活の障害」です。ADHDの特性によって「生きづらさ」を抱えている人が生活しやすいように、環境を工夫すると共に、医療・福祉・産業が連携して、社会の中で実際にできることを増やしていけるような支援が必要です。

DSM-5における注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断基準

  1. 不注意症候と多動性症候/衝動性症候の一方、あるいは両方が6項目以上(17歳以上は5項目以上)存在する。
    以下の不注意症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
    • 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
    • 注意を持続することが困難。
    • 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。
    • 指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。
    • 課題や活動を整理することができない。
    • 精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
    • 課題や活動に必要なものを忘れがちである。
    • 外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
    • 日々の活動を忘れがちである。
    以下の多動性/衝動性の症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
    • 着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。
    • 着席が期待されている場面で離席する。
    • 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
    • 静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
    • 衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。
    • しゃべりすぎる。
    • 質問が終わる前にうっかり答え始める。
    • 順番待ちが苦手である。
    • 他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。
  2. 不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは12歳までに存在していた。
  3. 不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で存在している。
  4. 症状が社会・学業・職業機能を損ねている明らかな証拠がある。

ー『精神障害の診断・統計マニュアル第5版』より引用

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